認知症看護分野
新たな認定看護師教育が始まりました。
さらなる在宅医療等の推進を図るため、医師の判断を待たずに、手順書により一定の診療の補助を行う看護師の育成が必要です。
あらゆる場で看護を必要とする対象に、高い臨床推論力と病態判断力に基づく水準の高い看護を実践できるよう、特定行為研修を組み込んだ認定看護師教育カリキュラムとなりました。
教育課程の目的
- 1認知症看護分野において、個人、家族及び集団に対して、高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践できる能力を育成する。
- 2認知症看護分野において、看護実践を通して看護職に対し指導を行える能力を育成する。
- 3認知症看護分野において、看護職等に対しコンサルテーションを行える能力を育成する。
- 4認知症看護分野において、多職種と協働しチーム医療のキーパーソンとしての役割を果たせる能力を育成する。
期待される能力
- 1高い臨床推論力と病態判断力に基づいて、認知機能障害及び身体疾患の合併による影響をアセスメントし、治療的援助を含む健康管理を行うことができる。
- 2認知症の発症からエンドオブライフまで、住み慣れた地域あるいは在宅で生活を継続できるよう、症状マネジメント及び生活機能の評価と支援、家族支援を行うことができる。
- 3認知症の人がもてる力を発揮できるよう生活・療養環境を調整することができる。
- 4認知症の人の権利を擁護し、あらゆる場において認知症の人の意思が適切に反映されるよう、意思決定能力の評価、人的・物理的環境の整備、認知機能に応じた配慮ができる。
- 5地域包括ケアシステムにおいて、多職種と協働しチーム医療のキーパーソンとしてケアサービス推進の役割を果たすことができる。
- 6認知症看護の実践を通して役割モデルを示し、看護職への指導を行うことができる。
- 7認知症看護分野において、看護職等に対し、相談対応・支援を行うことができる。
認知症看護分野カリキュラム
【特定行為を組み込んだカリキュラム】
共通科目 | 1.臨床病態生理学 | 40 |
2.臨床推論 | 45 | |
3.臨床推論:医療面接 | 15 | |
4.フィジカルアセスメント:基礎 | 30 | |
5.フィジカルアセスメント:応用 | 30 | |
6.臨床薬理学:薬物動態 | 15 | |
7.臨床薬理学:薬理作用 | 15 | |
8.臨床薬理学:薬物治療・管理 | 30 | |
9.疾病・臨床病態概論 | 40 | |
10.疾病・臨床病態概論:状況別 | 15 | |
11.医療安全学:医療倫理 | 15 | |
12.医療安全学:医療安全管理 | 15 | |
13.チーム医療論(特定行為実践) | 15 | |
14.特定行為実践 | 15 | |
15.指導 | 15 | |
16相談 | 15 | |
17.看護管理 | 15 | |
認定看護分野専門科目 | 1.認知症看護概論 | 30 |
2.認知症の病態生理・臨床診断・治療 | 45 | |
3.認知症看護における倫理 | 15 | |
4.認知症の人とコミュニケーション | 15 | |
5.認知症の人のケアマネジメント | 45 | |
6.認知症の人の生活機能の評価と支援 | 30 | |
7.認知症の人の家族支援 | 15 | |
特定行為研修区分別科目 | 1.栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 | 22 |
2.精神・神経症状に係る薬剤投与関連 | 35 | |
演習・実習 | 総合演習 | 15 |
臨地実習 | 150 |
年間スケジュール
4月2日 | 入学式・オリエンテーション | 本学 |
4月3日 | オリエンテーション | |
4月上旬〜8月中旬 | 共通科目:講義・演習は、eラーニングによる遠隔教育 | 自宅 |
8月中旬~8月下旬 |
共通科目:実習・試験は、大学において集合教育 区分別科目:講義・演習・試験は、大学において集合教育 |
本学 |
9月~10月 | 専門科目:大学において集合教育 | |
11月中旬~ | 臨地実習 | 熊本県周辺施設 |
12月下旬 | ケースレポート作成 | 本学 |
1月 | 特定行為実習 | 熊本県周辺施設 または自施設 |
2月 | 修了試験 | 本学 |
3月 | 修了式 ※ 厚生労働省の特定行為研修修了証が授与されます。 | |
(注1)共通科目の一部はeラーニングを使用します。週5日、1日3時間~4時間の受講時間が必要です。eラーニングは、学内で受講することも可能です。eラーニング期間中、月に2~3回程度、オンラインで受講状況を確認します。 (注2)集合教育及び実習は、大学まで通える環境を整えてください。 |