3/25(火)天草市のあましんスタジアムで、中学生陸上選手を対象にトレーニング指導と動作解析を実施しました。この天草市との連携事業は、天草市のジュニアアスリートを対象とした競技力向上を目的として、昨年から引き続き2回目の開催となります。
トレーニング指導は午前の部、午後の部の2部構成で行われ、参加した中学生陸上選手は計39名でした。本学理学療法学専攻スポーツリハビリテーションコースの新3・4年生6名と大学院生1名が中心となり指導を行い、健康・スポーツ教育研究センター教員3名が補助を行いました。午前の部は体幹・下肢プライオメトリクス・上肢パワー・スプリントの4ブースに分かれてのサーキットトレーニングを実施しました。学生自らが考案したトレーニングメニューはどれも細かい負荷設定まで考え抜かれた斬新なもので、効果的に全身をトレーニングすることができました。午後の部は体幹を中心とした9つのサーキットトレーニングが用意され、1つのブースを一人が担当し、より責任感を持った状態でトレーニング指導にあたりました。中学生の人数が多い中ではありましたが、指導の熱や的確さは変わらず、中学生のパフォーマンスを限界まで引き出した、活気あるトレーニングになりました。午前、午後とも学生が中心となりトレーニングの説明・デモンストレーション・指導までのすべての工程を実施し、日々の学習の成果を十分に発揮していました。
動作解析は本学理学療法学専攻スポーツリハビリテーションコース新2・3年生5名と健康・スポーツ教育研究センター教員1名が担当し、100m走、1500m走、砲丸投げ、走り幅跳びの4種目を12名分行いました。ハイスピードカメラによる計測とビデオ解析によって得られた結果は選手全員に共有され、パフォーマンス向上のポイントについて講義が行われました。学生が中心となって、各種目のパフォーマンスに関わる重要な局面の関節角度を算出し、中学生のパフォーマンスへの理解に大きく貢献しました。パフォーマンスの向上についての講義は松原教授が担当し、一般的な競技力向上のための技術の確認だけでなく、ひとりひとりの強みや改善点が明確に示されました。中学生たちは自分の競技中の姿勢を思い出しながら解析結果と比較し、次の目標を具体的に持つことができるなど、有意義な講義となりました。また質疑応答では、解析結果からみつけた課題を改善するための具体的なトレーニング方法について質問があり、動作解析とトレーニングの結びつきが実感できました。
昨年から引き続き開催された天草市連携事業は、天草市のジュニアアスリートの競技力向上を目的としています。競技力向上のためには、動作解析とトレーニングを独立させるのではなく、2つをうまく組み合わせ有効活用することが重要です。この点において、今年はより動作解析とトレーニングの組み合わせの重要性を理解してもらえたと実感しています。健康・スポーツ教育研究センターはこれからも天草市ジュニアアスリートの競技力向上のため、科学的なデータを用いた有効的なトレーニング指導を実現していくことを目指します。そして、健康で明るい未来を目指すために、これからも地域に根ざした活動を続け、社会の幸福実現に少しでも貢献できるよう今後も積極的に新たな挑戦をしていきます。