2025/8/10と8/19の2回に亘って、包括連携協定を締結している水上村と協働で、水上村スポーツ合宿支援事業を開催いたしました。この水上村スポーツ合宿支援事業は、今年で5年目を迎え、水上村で合宿する陸上長距離選手(高校生)に対して、障害予防と競技力向上を目的に、講義やトレーニング指導、フォーム分析などを実施してきました。
それらを踏まえ、今年度は新たに女子アスリートも対象に含め、第一回目(8/10)を男子の部、第二回目(8/19)を女子の部に分け、午前に講義、午後に実技指導(体幹・股関節・足関節)という形式で、取り組みの幅を広げました。男子の部では九州学院を主幹として九州内外より計7校、女子の部では千原台高校を主幹として九州圏内より計5校にご参加いただきました。
男子の部では、昨年度までと構成は基本的に同じでしたが、講義内容をアップデートし、トレーニングはさらに日々の練習に落とし込めるよう改善し、当日に臨みました。講義では150名程度の高校生アスリートに向け、本学教員 宮﨑宣丞 助教と 荒木理恵 特任講師に、長距離選手に特化した障害予防やトレーニング理論をご講演いただきました。午後からのトレーニング実技指導は、体幹・股関節・足関節の3ブースを設置して、本学教員(松原教授、荒木特任講師、宮﨑助教 ; JSPO-AT, JATI-ATI資格保有)の監修のもと、本学理学療法学専攻スポーツリハビリテーションコース2-4年生が主体となって実施しました。各校から現在故障中の15名の選手が参加し、自分たちの弱点を把握したうえで、各ブースのトレーニングに取り組みました。トレーニングは、事前に入念な打ち合わせと練習を重ねたこともあり、本番では学生トレーナーとして堂々と指導に当たりました。本学の学生達は、「合宿後も実施できるトレーニング」をテーマとして取り組み、トレーニングの目的や正しい選択方法を学び、高校生アスリートの自己管理につながる知識や技術の習得につながったのではないかと考えています。
女子の部では、女性アスリートに特化した講義とトレーニング内容で、新たな取り組みを始めました。講義では、女子高校生アスリート約75名に向け、朝日野総合病院の木下夏美理学療法士が、女性特有の身体的特徴・生理学的特徴を踏まえたうえで、競技と向き合う中で気を付けるべき点についてご講演いただきました。講義が終了した後は高校生が自ら体調管理について質問しに来るなど、内容への理解が深まった様子をみて、講義の充実度を改めて感じました。トレーニング実技指導は男子の部と同じく3ブース(体幹・股関節・足関節)に分かれ、本学教員(枝尾講師、荒木特任講師、宮﨑助教;JSPO-AT, JATI-ATI資格保有)・朝日野総合病院(木下理学療法士、新井理学療法士)監修のもと、本学理学療法学専攻スポーツリハビリテーションコースの女子学生2・3年生が主に指導しました。学生トレーナーも女子学生が務めることにより、緊張感がほぐれ、トレーニング以外の面でも相談を受けたり話しかけやすい雰囲気が作り出され、参加者も楽しみながらも、真剣にトレーニングに打ち込む姿が印象的でした。
写真説明
1枚目:本学教員宮﨑助教による高校生アスリート向け講座の様子(男子の部)
2枚目:本学学生がトレーニング(股関節ブース)を指導している様子(男子の部)
3枚目:トレーニング参加者全員で体幹機能のチェックを行っている様子(男子の部)
今年度の水上村スポーツ合宿支援事業は、新たな取り組みとして男子の部と女子の部に分けて開催いたしました。本センターとして、高校生アスリートが怪我なくトレーニングを継続するための自己管理ができるよう、水上村や朝日野総合病院と協議を重ね、様々な工夫を施し、今後も選手と真摯に向き合い続けます。また、将来スポーツを支える立場を目指す本学学生たちにとっても、事前練習から本番での実践を通してスポーツ現場を肌で感じ経験することができる機会となり、より良い教育の場となることが期待されます。このように教員と学生、水上村、朝日野総合病院が協働することで、熊本保健科学大学の新たな強みを活かし、私たちにしかできない合宿支援を行うと同時に、水上村合宿の魅力発信にもつながる事業となるようこれからも尽力いたします。
写真説明
4枚目:本学教員、学生が高校生にトレーニング(股関節ブース)を指導している様子(女子の部)
5枚目:本学学生がトレーニング(足関節ブース)を指導している様子(女子の部)
6枚目:本学学生がトレーニング(体幹ブース)を指導している様子(女子の部)
熊本保健科学大学の講師たちが水上村で合宿している高校生にトレーニング指導(2025年8月20日掲載)|KKT NEWS NNN