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土井 篤教授の研究グループがJournal of Exercise Rehabilitationに論文を掲載しました。

2023.08.01



本学大学院保健科学研究科の土井 篤教授は、熊本保健科学大学学内研究の一部として本学理学療法学専攻12期生と13期生、本学医学検査学科の亀山広喜講師、佐賀中央病院整形外科の園畑素樹院長、本学リハビリテーション学科の申敏哲教授と共同研究を行い、その成果を2023628日付けでJournal of Exercise Rehabilitationに掲載しました。

【日本語タイトル】
坐骨神経挫滅モデルラットに対する全身振動刺激は運動神経機能の回復を促進する
土井 篤1, 2) #、小田恭歌3)*、松本雅輝3)*、迫口ほのか3)*、本田瑞樹3)*、緒方裕磨3)*、中野亜寿華4)、谷口みさと4)、福島俊弥4)、今吉恭悟4)、永尾環多4)、豊田雅美4)、亀山広喜2)、園畑 素樹5)*、申 敏哲1, 2)
1) 熊本保健科学大学大学院 保健科学研究科 リハビリテーション領域
2) 熊本保健科学大学 保健科学部
3) 同大学 理学療法学専攻 第13期生 
4) 同大学 理学療法学専攻 第12期生
5) 佐賀中央病院 整形外科
* These authors contributed equally to this work  # 責任著者

【日本語訳による抄録内容】
この研究の目的は、坐骨神経損傷モデルラットを用いて、全身振動刺激(WBV)が感覚神経成分と運動神経成分に及ぼす影響を検討することです。 坐骨神経の挫滅手術は動脈瘤クリップを使用し、腹腔内麻酔下で 21 匹の雌ラットに行われました。 それらのモデルラットを2グループ(対照群とWBV群)に分け、WBV群のラットはケージ内で振動刺激(周波数 50 Hz、20 分/日、5 回/週)を与え、対照群のラットには同様のケージ内で振動刺激を与えない事としました。 術後の評価は熱刺激による感覚閾値と腰部磁気刺激によって誘発される運動誘発電位を使用し、それぞれ感覚神経成分と運動神経成分を測定しました。 さらに形態学的測定として両側後肢の面積、両側腓腹筋の面積および両側腓腹筋の質量を評価しました。 その結果、対照群とWBV群の間で挫滅側の感覚閾値に有意差はありませんでした。 しかしながら、坐骨神経挫滅後4週間と6週間では、WBV群の運動誘発電位の潜時は対照群よりも有意に短くなりました。 さらに、術後6週間における後肢両側の面積、左側の腓腹筋面積、および両側の腓腹筋質量がWBV群において有意に増加しました。 結論として、全身振動刺激は坐骨神経挫傷モデルラットの筋肥大を起こすばかりではなく、下肢筋を支配する坐骨神経運動神経成分の機能回復を選択的に促進していました。

論文の詳しい内容については、
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37435594/
https://doi.org/10.12965/jer.2346178.089
 
をご参照下さい。
尚、この研究は熊本保健科学大学学内研究費 (2020-C-02) の助成を受けたものです。