公衆衛生看護学専攻科を目指すみなさんへ
急激な少子高齢化の進展、様々な分野のIT化など「時代の転換点」ともいえる社会構造の変化によって、保健・医療・福祉の取り巻く現状が変化する中、人々が抱える健康課題は複雑・多様化しています。
そのため、保健師には高度な専門性と創造性、豊かな人間性が求められています。
本専攻科では、講義・演習に加え、実習、フィールドワークを通じ、実践に必要な知識・理論の理解、仲間との討議による政策形成過程の実践など、幅広い学びを提供します。保健師として「人々の健康増進に寄与したい」という強い思いの醸成、そして、将来、リーダーシップを発揮できる人材を育成したいと思っています。
公衆衛生看護学専攻科の概要
修学期間を1年とし、講義に加え、フィールドワーク、インタビュー法などの実践的手法を駆使し、ヘルスプロモーションを基礎とした公衆衛生看護を実践するための諸理論及び技法の修得を目指します。実践力の向上とともに、健康寿命の延伸やQOL向上のための、社会資源の活用・開発、保健医療福祉に係る関係者や様々な関係機関との連携、パートナーシップの必要性の理解を深めるため、幅広い教育内容としています。
また、急激な少子高齢化の進展、人々の価値観の多様化への対応や、今般の新興感染症の拡大、熊本県が経験した熊本地震をはじめとした頻発する大規模災害等、健康危機管理に関する課題に直面する中、自治体での対応事例等を通じ、より実践に即し、さらなる応用力向上のための体系的な学修を進めていきます。
今後、さらに社会的な要請が高まる行政機関での政策の企画・立案能力の向上等の教育の強化、キャリアビジョンを描ける科目も加え、将来、ジェネラリストとして公衆衛生看護活動を遂行できる教育の充実を図ります。
求める学生像
【知識・理解(技能)】
- 看護師の免許を取得し、大学において公衆衛生看護学の基礎となる幅広い学問を能動的に学び、その知識と技術を有している人
【思考・判断・表現】
- 個人、家族に対する共感的な態度と倫理的な配慮を有し、集団、地域の健康課題解決に関心を持ち、公衆衛生看護学を通じて社会貢献への志向がある人
【関心・意欲・態度】
- 保健師を志す明確な動機と意欲がある人
- 保健師としての実践力向上や研究的な活動に意欲的に取組む態度や論理的な思考を有し、専門職としての能力を高め続けることができる人
教育目標
豊かな教養及び専門職としての社会的責任・倫理観を備え、刻々と変化する社会情勢や動向に対する洞察力、総合的な判断力や発想力、それらを応用する能力を有するなど、保健師としての高度な専門知識と実践力をもって地域社会の健康増進に寄与するとともに、将来、リーダーシップを発揮できる人材を養成する。
- ヘルスプロモーションの理念に基づき、健康の保持増進及び地域の健康課題に応じた保健・医療・福祉システムの発展に寄与し、将来リーダーシップを発揮できる能力を養う
- 公衆衛生看護学の知識・技術を修得し、個人・家族・集団のライフステージの特徴や個々の健康状態に応じた課題解決に積極的に取り組む能力と姿勢を養う
- 地域住民や関係機関と連携及び協働し、様々な領域での施策化、システム化ができる能力を養う
- 複雑かつ多様化する社会における個人、家族、集団、地域の健康危機管理に適切に対応できる実践力を養う
- 刻々と変化する社会情勢に対する知識と多角的な視点から、健康課題に対して科学的根拠に基づく手法及び研究的な手法を用いて対応できる能力を養う
- 保健師としての広い視野と高い倫理観に基づいて行動し、専門職業人として自律と高い実践能力を維持するために、生涯を通じて資質の向上に努める
修了認定の方針
公衆衛生看護を担う保健師に求められる専門性と実践力を兼ね備え、所定の単位を修得した者に保健師国家試験受験資格を付与するとともに、修了証を授与する。
【知識・理解(技能)】
- ヘルスプロモーションを基礎とし、公衆衛生看護を実践するための諸理論及び技法を実践力として修得している
- 個々のエンパワーメントの向上や倫理的意思決定の基盤となるアドボカシーの理解等を深め、それらを活用する手段を修得している
- 人々の健康寿命の延伸やQOL向上のための、社会資源の活用・開発、保健医療福祉に係る関係者や様々な関係機関との連携、パートナーシップの必要性を理解し、評価することができる
- 大規模災害や新たな新興感染症に係る健康危機の覚知、発生時から回復期及び復旧・復興期に至る健康課題を早期に明らかにするとともに、健康危機管理体制の構築に向けて、迅速かつ組織的に対応することできる
【思考・判断・表現】
- 普遍性や根拠を重視する科学的視点及び個人から集団、地域までを対象とし、解決を導きだすことを軸とする公衆衛生看護の視点によるアプローチの多角性を十分に理解し、実践することができる
【関心・意欲・態度】
- 行政機関、福祉分野、産業保健(健診機関を含む)分野など様々な領域において、保健師による公衆衛生看護過程を通じた実践可能な知識と技術を発揮することができる
- 社会情勢の変化やグローバルな動向に関心を寄せるとともに、集団や組織をマネジメントする実践力を有し、将来、ジェネラリストとして公衆衛生看護活動を遂行できる
教育課程編成・実施の方針
教育課程は、「専門領域」、「関連領域」及び「臨地実習」で編成し、次の実施方針によって遂行する。
- 専門領域は、公衆衛生看護の目的・対象、保健師の役割や専門職としての責務や倫理、個人/家族、地区/小地域、地域(集団/組織)のアセスメント、地域社会がかかえる健康課題の解決に必要な知識・技術を学ぶ
- 関連領域では、疫学や保健統計、保健医療福祉行政政策等の専門分野を支える知識を学ぶとともに、人々の健康に深く関わる環境や社会の多様性に対応するためのコミュニケーションスキルや企画技術に加えて、大規模災害を経験した熊本県の特徴を踏まえ、健康危機管理に関する具体的な事例を通じて、体系的に学ぶ
- 将来の保健師としてのキャリアプランを具体化するため、行政・福祉分野・産業保健の場等で活躍する現職保健師との交流、保健師職の幹部職員から学ぶなど、キャリアイメージを高め、将来の保健師としてのキャリアデザインに関する学びを設けるなど、職業アイデンティティの形成を促す
- 臨地実習では、行政・産業・地域(集団/組織)において、学内で学んだ知識と技術を統合し、公衆衛生看護の実践能力の向上を図る。特に本学との包括連携協定自治体との研究的視点にたった実習体制を構築する
- 小規模自治体など現場で活躍する保健師から直接、保健師活動の実際を学ぶ機会を設け、地域への就業意識の醸成を促す
- 能動的学習スタイルによる学生の自主性や自立を促す
取得できる資格
- 保健師(国家試験受験資格)
- 第一種衛生管理者免許(申請資格)
- 養護教諭二種免許(申請資格)※
※「日本国憲法」「体育」「外国語コミュニケーション」「数理、データ活用及び人工知能に関する科目又は情報機器の操作」の科目(各科目2単位)を大学又は文部科学大臣が指定する教育養成機関において修得していることが必要。
公衆衛生看護学専攻科 年間スケジュール
4月
- 入学式
- 新入生オリエンテーション
- 健康診断
- 前期講義・演習 開始
5月
- 公衆衛生看護学実習Ⅰオリエンテーション
- フィールドワーク(実習地を中心)
- 講義・演習
- 公衆衛生看護学研究(通年)
- 公衆衛生看護管理・地域包括ケア実習(通年)
- 創立記念日(5月15日)
6月
7月
- 保健師国家試験模試
- オープンキャンパス
- 前期定期試験
8月
9月
- 公衆衛生看護学実習Ⅱオリエンテーション
- 公衆衛生看護学実習Ⅱ
10月
- 公衆衛生看護学実習Ⅱ
- 後期講義・演習 開始
- 学園祭
11月
12月
- 公衆衛生看護学実習 現地報告会
- 公衆衛生看護学研究 学内報告会
- 講義・演習
- 冬季休暇
1月
- 後期定期試験
- 保健師国家試験模試
- 国家試験対策(補講)
2月
3月