KUMAHO Web Column

リハビリテーション学科

子どもの「ことばの先生」言語聴覚士

2021.03.15

子どものことばの発達を支える

 言語聴覚士の仕事と言えば、脳卒中などでことばが話せなくなった人のリハビリをイメージされることが多いのですが、子どものことばの発達も支援しています。自閉症や聴覚障害のようにコミュニケーションで使うことばに支援が必要な子どももいますし、学習障害のように読み書きで使うことばに支援が必要な子どももいます。そのほか、発音が苦手な子ども、吃音(どもり)のある子ども、両親が外国人で日本語を話せない子どもなど、ことばの発達に困難のある子どもは多様です。ことばの事で困っている子どもたちが人との会話や読み書きを好きになり、大人になって社会で活躍できるように支えるのが言語聴覚士の仕事です。言語聴覚士は病院だけでなく発達支援センター、障害児施設、地域の発達支援事業所などでも必要とされています。

子どもの気持ち・親の気持ちを理解する

 ことばの発達につまずきがあることで、子どもたちが自信を無くして辛い思いをしているかもしれません。彼らの親は「育て方を間違ったのだろうか」と自分を責め、「ちゃんと大人になれるだろうか」と将来を心配しているかもしれません。このような子どもや親の気持ちを理解するためのカウンセリングも大切な仕事の一つです。言語聴覚士はいつでも親子の味方であり、親子の幸せを創り出す仕事です。

子どもの発達を学ぶカリキュラムがあります

 発達領域の指導には医学的知識だけではなく、心理学や言語学など文系のアイデアやセンスも必要となります。ですから、文系の方も大歓迎です。言語聴覚専攻の魅力のひとつは、学生も勉強内容も幅広く多様なことです。また、言語聴覚専攻では言語発達臨床教育研究室(通称、ことばの相談室)を併設しており、地域の子どもたちが利用しています。ことばの相談室を利用する子どもの指導場面を見学し、卒業研究を通して実際に子どもの指導を行うこともあります。写真は、オンラインによる言語指導の効果を実践的に調べた卒業研究の1場面です。学生が指導内容を考え、zoomを通して子どもさんに指導しました。学生と子どもさんが楽しく指導の時間を過ごせました。子どもさんに「また会いたいな」と思ってもらえる言語聴覚士を目指しましょう。

リハビリテーション学科 言語聴覚学専攻
准教授 井﨑 基博

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