KUMAHO Web Column

リハビリテーション学科

障がいの治療のみならず予防にも関わる理学療法士

2021.03.01

 理学療法とは、「身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう」と定義されています(理学療法士及び作業療法士法第2条)。

 理学療法は、皆さんがよくメディア等で見かけるリハビリテーションに関係する治療法の一つで、病気やけが、高齢化などによって運動機能が低下している方々に対し、運動機能の改善や維持を目的にさまざまな手段を用いて行う治療法で、その専門職を理学療法士と呼びます。理学療法の多くは、病院、診療所などにおいて、医師の指示に基づいて行われます。

 ヒトは、病気やけがなどが原因で、ヒトとしての基本的な動作である、寝返る、起き上がる、座る、立ち上がる、歩くことなどが難しくなると、一人でお手洗いに行けなくなる、入浴ができなくなる、買い物や仕事での外出ができなくなることなどにつながるため、理学療法士はそういった方々が日常生活の中で、ひとりで、もしくは周りの方々の手をあまり借りずに基本動作ができるように支援します。

 また、人生100年時代において、若くて健康なうちから生活習慣病の予防、運動機能の低下予防、認知機能の低下予防などが求められていますが、最近では予防の領域でも理学療法士は活躍をしています。

 理学療法士は、理学療法士として居続ける限り、根拠(エビデンス)を持って理学療法を行う必要がありますが、日本語英語問わず研究論文等の文献を読み、学会や研修会に参加するなどし、常に新しい情報を取得しないといけません。また、自らが情報の発信者になるために研究をすることもあります。本学では、臨床経験や研究実績豊富な理学療法士・リハビリテーションの専門医師・生理学者の教員が居りますが、分子生物学的レベルからヒトレベルまで幅広い研究指導等も行いますので、われわれの下で一緒に勉強をした学生の卒業後は、病院や診療所への就職だけでなく、大学院進学や役所(公務員)や一般企業に入るなど、多岐に亘ります。

 理学療法士の仕事は、患者さんや他のスタッフなどとのコミュニケーションが不可欠です。今のうちから話術を磨くことをお勧めします。

リハビリテーション学科 理学療法学専攻
教授 久保 高明

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