KUMAHO Web Column

リハビリテーション学科

リハビリテーションって何だろう

2021.02.26

 熊本保健科学大学保健科学部リハビリテーション学科には、理学療法士(理学療法学専攻)、作業療法士(生活機能療法学専攻)、言語聴覚士(言語聴覚学専攻)という3種類の専門職を養成する課程があります。3つの専門職はいずれもリハビリテーション医療の一翼を担う専門職ですが、そもそもリハビリテーションとは何でしょうか?

 医療の専門用語と捉えられがちのリハビリテーションですが、もともとは医療と関係のない言葉です。リハビリテーションは英語で書くとRehabilitationになりますが、その語源はラテン語のRehabilisと言われています。これは「再び」を意味するReと「適する」を意味する「Habilis」が組み合わさったものです。直訳すると「(人が)再び適する状態になる」ことを示すわけです。そして、ここで適するとは「社会生活を営むための適する状態」という解釈になります。もともと、リハビリテーションとは何らかの原因によって人間らしく社会生活をできなくなった人がその人が培った名誉を取り戻し、再び人間らしく生きる権利を回復することを意味する言葉なのです。

 リハビリテーションは、よく「リハビリ」という言葉を用いてケガや病気によってダメージを受けた身体の調子を整えるものとして表現されます。しかし、社会生活を営むために適する状態を維持するためには、たんに身体の調子がよいだけでは十分と言えません。心の状態も十分である必要でしょう。そして、もっと大事なことは社会生活のなかで、周囲の人々と互いに一人の人間として尊重し続けることです。

 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士はいずれも病気やケガなどで社会生活を営むことができなくなってしまった人に対し、医療の観点からその方が人間らしく生きることができるよう支援する専門職です。もちろん、その時の支援のあり方は職種によって異なります。ぜひ、3つの職種を知ってもらった上で、人のために支援できる専門職としての歩みを進めて頂きたいと思います。

リハビリテーション学科 教授 山野 克明

一覧へ戻る

Rehabilitation リハビリテーション学科