KUMAHO Web Column

医学検査学科

微生物検査を通して、患者様のためにできること。

2021.03.26

 皆さんは、微生物検査と言う言葉をご存じですか。

 微生物と言う名前はとても小さな生き物と言う意味です。私たちのおなかの中にいる大腸菌を例にとると、長さを2μmとすると縦に約500個並べたらやっと1mmになるくらいの大きさです。また、流行している新型コロナウイルス、正式名称は、SARS-CoV-2と言いますが、こちらは約10,000個ないと1mmの大きさになれません。

 私たちはこのような微生物により感染症を起こすのです。私達、臨床検査技師は患者様のために、このような微生物を相手に奮闘しています。

 私が検査技師を始めた1981年当時からすると今日の検査技術は格段の進歩を遂げています。具体的には、細菌や真菌の名前を調べるのに約10分で検査が終了するMALDI-TOF MSがあります。これは、細菌や真菌に特殊な試薬を加えて、レーザーを照射することで細菌や真菌から遊離するイオンの検出器に到着する時間の波形によって名前の決定、すなわち、学名を決定する装置です。また、新型コロナウイルスの検査と言うことで、良く耳にするPCR検査も今まで私たちが用いてきた方法より短時間で目的微生物を見つけることができます。しかしながら、このような機器を用いるためには、人体の構造や感染症学、免疫学などの幅広い知識の裏付けにより、より精度の高い検査成績が得られることになります。

 皆さんも、私たちと一緒に微生物検査を学んで見ませんか。

医学検査学科 教授 正木 孝幸

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