KUMAHO Web Column

医学検査学科

臨床検査技師ってどんな仕事?

2021.02.26

臨床検査技師は、医師の指示に従って、患者の採血を行ったり、生物学的な検査を行います。検査方法は大きく2つに分けられます。ひとつは、生体の一部(血液・髄液・組織など)や排泄物(尿・便・喀痰など)を検査する「検体検査」で、もうひとつは心電図や超音波(エコー)検査など、直接患者に対して行う「生理検査」です。臨床検査技師とは、こうした業務を行う技術があると国家資格によって認められた者で、病気の診断や治療の現場で重要な役割を担っています。医療の分業化と検査の高度化が進み、現在の医療に臨床検査技師は不可欠な存在です。特に遺伝子学的手法を用いた検査は、正確な診断や治療薬の選択にも大きく貢献しています。現在、パンデミックとして世界中を脅かしているCOVID-19に対する病原体核酸検査であるPCR法については、皆さんもテレビ報道等で耳にしたこがあると思います。このPCR検査を担っているのも臨床検査技師です。

臨床検査技師がとれる資格は?

卒業後、臨床検査技師の資格を取ると二級臨床検査士の受験資格が得られます。二級試験には、血液学、 微生物学、臨床化学など8部門があり、筆記および実技試験からなっています。二級臨床検査士を取得すると一級臨床検査士を目指すことも可能です。また、臨床検査技師になり一定の修業を経て試験に合格すると細胞検査士や超音波検査士などのスペシャリストとなり、より高いレベルでの仕事ができるようになります。その他、臨床検査技師の知識や技術が活用できる資格がいくつもあります。具体的には、緊急臨床検査士、認定輸血検査技師、認定臨床微生物検査技師、消化器内視鏡技師、日本糖尿病療養指導士、臨床細胞遺伝学認定士、体外受精コーディネーター、認定臨床エンブリオロジスト、生殖補助医療胚培養士などです。臨床検査技師の資格取得後、さらに研修を受けて試験により認定される必要があります。

チーム医療と臨床検査技師

チーム医療の場では、糖尿病療養指導士や治験コーディネーター(CRC)、栄養サポートチーム(NST)、感染症対策チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)の一員として、臨床検査のエキスパートとしての活躍の場が提供されています。

病院などの医療施設以外での臨床検査技師の活躍の場は?

職場は病院のほか、臨床検査センターや薬品メーカー、食品メーカー、研究所など、臨床検査技師の活躍の場は多岐にわたります。

最後に

臨床検査技師は、病気の予防から診断・治療まで広く関わることができる、大変やりがいがある仕事です。
ぜひ本学で一緒に臨床検査技師を目指しましょう。

医学検査学科 教授 南部 雅美

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